2003年4月26日(土)「しんぶん赤旗」
二十六日で小泉内閣は発足二年を迎えます。下り坂を転げ落ちる一方の経済、アメリカにひたすら付き従うばかりの外交、金権腐敗に打つ手なしの悪政に苦しめられた二年間を振り返ると−−。
経 済 |
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「二年から三年以内に不良債権の最終処理をめざす」とのべ、その後も最終処理の「加速」方針を強行するなど、小泉「改革」の柱に位置付けてきた不良債権処理ですが、二年で逆に増えました。無理やり不良債権処理を進めたため、中小企業の倒産増などで不良債権が発生したからです。
二〇〇〇年度の不良債権残高(全国銀行)は三十三兆六千三百億円でしたが、〇二年九月期は四十兆八百五十億円で、約六兆五千億円の増です。
一方で国民には医療費健保三割負担など「痛み」の連続です。雇用は落ちこみ、銀行の中小企業向け貸し出しも二年間で約三十九兆円も減るなど、貸し渋り、貸しはがしが横行しています。
財政では国と地方の借金総額が六百七十三兆円(〇一年度実績)から六百八十六兆円(〇三年度予算)へ。ムダ遣いにメスを入れるといいながら、巨大開発などの公共事業はそのままにしているからです。「国債発行三十兆円枠」の公約も投げ捨てました。
外 交 |
就任直後から集団的自衛権行使の「研究」を公言した小泉首相が行ったことは、米国が強行した二つの戦争を即座に支持したことでした。
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「9・11」テロに対して国連を中心とした犯罪者への告発と制裁を尽くさないまま踏み切ったアフガン戦争では、テロ対策特別措置法を強行し、戦後初めて戦時に自衛隊を海外派遣しました。
国連の決議もないまま無法な先制攻撃を始めたイラク戦争では、開戦前から大量破壊兵器の査察を打ち切ろうとした米国を支持。フランスやドイツ、カナダなど米国の同盟国さえ「国際法と国連憲章に反する」と開戦に反対したのに、小泉首相はブッシュ米大統領の演説を口移しにして、迷わず支持を掲げました。
無法な戦争と占領の上に、米国いいなりの政権をつくろうとする企てにも加わろうとしています。
イラク戦争型の無法な先制攻撃の戦争に参戦する態勢を整えるため、有事法制の制定にも執念を燃やしています。
政治とカネ |
政治家が企業・団体から献金をもらって便宜を図る癒着事件は小泉内閣でも後を絶たず、毎月のように疑惑が噴出してきました。
ところが首相は、“疑惑の百貨店”といわれた鈴木宗男衆院議員や党の要職にあった加藤紘一元自民党幹事長に対しても一貫して「疑惑は本人が説明すべきだ」「政治家の出処進退は本人が決めるもの」と人ごとの姿勢を崩さず、疑惑解明に背を向けたままでした。
一時は公共事業受注企業からの献金規制を打ち出したものの、検討を党幹部に「丸投げ」。「企業・団体献金は悪ではない」の立場にしがみつく小泉首相は、「自民党を壊す」どころか最も自民党的な政治家であることを浮き彫りにしました。
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