2003年4月27日(日)「しんぶん赤旗」
【ワシントン25日浜谷浩司】マイヤーズ米統合参謀本部議長(空軍大将)は二十五日の記者会見で、イラク戦争で使用したクラスター爆弾が千五百発近くにのぼったことを初めて明らかにしました。同議長は「(民間人に)被害の出る可能性があることを知りながら」、この爆弾を使用したケースもあると認めました。
クラスター爆弾は親爆弾から数十―数百個の子爆弾をばらまいて広範囲を破壊します。民間人にも無差別の犠牲を出す残虐兵器です。米軍がイラクで使用したことに世界的に批判が高まり、禁止を求める声も広がっています。
マイヤーズ議長は、民間人が生活する地域で使用したことについて「不幸なことだが、戦争とは非常に醜いものだ」などと述べただけ。むしろ、イラク側が民間人の地域に米軍の攻撃目標となる軍事施設を設置したことが、被害の原因だと責任を転嫁しました。
同議長は、千五百発近くのうち、民間人居住区域から千五百フィート(約四百六十メートル)以内の目標を狙ったのは二十六発しかなく、クラスター爆弾による巻き添えで被害が出たケースは一度しか記録されていないと、被害の「少なさ」をアピールしました。
しかし、イラク現地では、爆撃の際ばらまかれた子爆弾による被害がいまも毎日のように出ており、今後も犠牲が続くことが懸念されています。