2003年4月27日(日)「しんぶん赤旗」
イラク戦争という米国の無法を放置すれば、世界の国々は、こんどはどこの国が先制攻撃の標的になるのかと、脅えながら暮らさなければならなくなる―。こんな危ぐが世界をおおっています。
有事法制は、その米国が無法な戦争をアジアにも広げたとき、日本をすすんでその共犯者にしようとするものです。
一方で、いま世界では、人類が二度にわたる大戦の犠牲のうえに打ちたてた、国連憲章にもとづく平和の秩序を取り戻そうという声が大きく広がりつつあります。
米国流の「秩序」が世界を支配し、恐怖と無法が横行すれば、はるか以前の弱肉強食の時代に逆戻りしてしまうからです。
日本国憲法の前文は、次のようにうたっています。
「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」
そして、九条は「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求」するとうたい、戦争を永久に放棄し、国際紛争を解決する手段として武力の行使も武力による威かくもおこなわないことを宣言しています。
憲法の平和原則をもつ国として、有事法制で米国の無法につきしたがう道を進むのではなく、「世界の平和ルールを取り戻そう」という世界の声の先頭に立つべきではないでしょうか。
(おわり)