日本共産党

2003年4月27日(日)「しんぶん赤旗」

外形標準課税 巨大資本優遇の「特例」とは?


 〈問い〉 来年度から実施される外形標準課税には、巨大資本への課税を軽減する「特例」があるそうですが、どういうものですか。(東京・一読者)

 〈答え〉 政府の地方税法改悪案が今年三月、与党三党の賛成で成立し、都道府県の税財源である法人事業税の一部に二〇〇四年度から外形標準課税が導入されます。資本金一億円超の企業が対象で、一九九一年度から二〇〇〇年度までの平均税収を元に、四分の三をこれまで通り「所得」課税、四分の一を「外形」課税とし、「税収中立」にしたと説明されます。「外形」の内訳は給与や利払いなどに単年度の損益を加減した「付加価値額」の0・48%と、資本金や資本積立金など「資本等の金額」の0・2%です。

 高収益の大企業は大幅減税となります。日本共産党国会議員団の試算では、一兆円以上の経常利益をあげたトヨタ自動車の例で百六十二億円の減税です。他方、赤字に苦しむ企業は「外形」の税負担だけが増えます。

 この不公平さは「資本等の金額」が一千億円を超える巨大企業の課税対象を小さく評価し税負担を抑える「圧縮特例」で増幅されています。

 具体的には、資本などが一千億円を超え五千億円以下の部分はその50%、五千億円を超え一兆円以下の部分はその25%と評価し、一兆円を超えた部分には課税しません。その結果、資本などが一兆円を超えた超巨大企業は、何兆円であっても課税対象は四千二百五十億円で頭打ちとなり、その0・2%分、八億円程度しか税がかかりません。

 政府見込みでは資本金額一千億円超は百社で、うち十二社が五千億円超、帝国データバンクによれば巨大銀行四社が一兆円超です。これらの資本“圧縮”規模は約三十兆円になり、約六百億円の税が減免されます。

 さらに、持ち株会社には、子会社の持ち株相当分を課税対象から控除する特例も設けています。政府は今まで税を納めなかった一部大企業も課税するから「公平」だと宣伝しますが、とんでもありません。

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 〔2003・4・27(日)〕


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