2003年4月29日(火)「しんぶん赤旗」
国連児童基金(ユニセフ)イラク事務所のイングラム広報担当官は二十七日、アンマンでの記者会見で、イラクの首都バグダッドの貧困地区の一病院だけで三時間で三百人の下痢患者が入院したとの現地からの連絡を明らかにし、イラクで子どもの間にかなりの規模で下痢が広がっていることを警告しました。
同広報担当官は、同市の治安状態が悪化し、交通費なども高騰していることで、患者が重症になってから病院に来ることが多くなっていることを指摘、イラクの住民に安全な水の供給を確保することの重要性を訴えました。
同広報担当官はまた、イラク南部の都市で、浄水施設の水処理に必要な化学薬品がなくなる現実的な危険があるとのべ、緊急に状況を改善しなければ、下痢疾患の急増は避けられないと、述べました。
同広報担当官はまた、六万トンの飲用水を積んだユニセフの第二次トラック部隊がイラン側から国境を越え、アルファオ半島に向かっていると語りました。