日本共産党

2003年5月1日(木)「しんぶん赤旗」

デモ銃撃事件

米軍発砲、30分続く

イラク 住民証言“警告もなし”


 【カイロ29日小玉純一】米軍が二十八日にバグダッド西方五十キロのファルジャでデモ行進中のイラク市民に発砲し少なくとも十三人を殺害、数十人を負傷させた事件は、占領軍に対するイラク国民の激しい怒りを呼んでいます。死者の埋葬に多くの人が参加し、その後も街頭に数千人が繰り出して米軍に抗議しました。

 住民は米軍が「少なくとも三十分間発砲し続けた」と証言しています。助けにいった病院関係者も銃撃を受けました。

 米軍の発砲は二十八日午後十時半に起きました。イスラムの祈りの後、約二百人がデモを行っていました。デモは五百人との報道もあります。地域に駐屯する米軍への抗議でした。

 デモは、五歳から二十歳の若い人たちが参加、「米軍は学校から去れ」と、叫びました。米軍は、学校を地域での占領本部にしていたからです。

 米軍は「自衛だった」「何者かが自動小銃で撃ってきた」と主張します。一方、住民からは「だれかが石を米兵に向かって投げた」との証言があります。しかし病院で手当てを受けた人は、「だれも発砲も投石もしていない」と話しています。「なんの警告もなく米軍は撃ってきた」「人々が近づくまで待って撃ったんだ」という人もいます。

 事件翌日の二十九日午後、学校の外では人々が「米軍は出て行け」とアラビア語と英語で叫びました。

 フセイン体制崩壊後の十五、十六日、イラク北部のモスルで十人が米海兵隊に殺されています。これも群衆への発砲でした。そのさいも、米軍は「相手が攻撃してきたからだ」と弁明しています。


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