2003年5月1日(木)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 議員と暴力団との癒着問題で政府・与党の擁護姿勢が目立ちますが、暴力団根絶に責任があるのではないですか。(大阪・一読者)
〈答え〉 保守新党の松浪健四郎衆院議員が、暴力団組員(当時)の経営する会社に一九九八年二月まで秘書給与を肩代わりさせ、指名手配された同組員の捜査状況を大阪府警に照会したなどの癒着が発覚、国会の対処が問われています。
そもそも国民の代表である国会議員が、反社会的存在である暴力団と癒着するなどあってはならず、松浪議員の責任は重大です。松浪議員は事実関係を認めた以上、議員辞職が当然ですが、「もう一回生まれ変わる」などと居直り辞職を拒否しています。同議員所属の保守新党も「役職停止」しただけで、小泉内閣も自民党など与党も松浪氏の責任を追及せず、事実上かばっています。日本共産党など野党四党は松浪議員辞職勧告決議案を提出しています。
一九九一年制定の暴力団対策法(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律)は、暴力団「壊滅」を社会全体に厳しく求めています。八〇年代、暴力団はバブル期の地上げなどで大企業や政治家と癒着を強め、勢力を拡大、大量密輸した拳銃を所持し殺傷事件も続発するなど、市民社会への害悪は重大化していました。厳しい取り締まりを求める世論の中九一年に政府提出の暴力団対策法が成立し、指定暴力団・指定暴力団連合に暴力的要求行動の禁止や事務所の使用制限などの規制を行うことになりました。
法案審議では、暴力団暗躍を許した警察の在り方を問われた国松孝次警察庁刑事局長が「暴力団そのものをこの社会に存在を認めない、それを壊滅していく」と明言しています。政府関係者や国会議員は率先して暴力団と絶縁し、暴力団壊滅の先頭に立つ責務を負っているのです。「暴力団も有権者」(四月二十二日、福田康夫官房長官)などと癒着問題をあいまいにする政府・与党三党の姿勢は許されません。
(水)
〔2003・5・1(木)〕