2003年5月3日(土)「しんぶん赤旗」
【アンマン2日岡崎衆史】ヨルダンのアンマン南郊にあるクイーンアリア国際空港で一日、毎日新聞記者の手荷物が爆発し、警備員一人が死亡、警備員二人と民間人一人の計三人が負傷しました。
ヨルダン治安当局によると、手荷物は毎日新聞写真部の五味宏基記者(36)のもので、手荷物をX線で検査した際、反応があり、警備員が調べようとしたところ、爆発したといいます。治安当局者によると、爆発物は、イラクから持ち帰った手投げ弾だといいます。
同記者は四月二十八日、イラクでの取材を終えアンマンに戻り、カイロを経由し、空路帰国する予定でした。取り調べに対し、五味記者は、アンマンからイラク入りした際、バグダッドに移動中の道路で釣り鐘型の物体を見つけ、これを持ち帰ったと供述。爆発物との認識はあったものの、使用済みで爆発はしないと判断したとしています。
治安当局は現在、五味記者を、容疑者として拘束しています。同記者の荷物から、イラクから持ち帰ったとみられる、じゅうたんや骨とう品、絵なども見つかったとの報道もあります。
毎日新聞社の橋本達明常務らは二日夕、同社本社で記者会見し、五味記者がバグダッド周辺で取材中の四月中旬に釣り鐘型の物体を二個拾ったことを明らかにしました。同社によると、このうち一個が空港で爆発、残り一個はヨルダン人の助手が所持しており、現地の治安当局に押収されたといいます。