日本共産党

2003年5月3日(土)「しんぶん赤旗」

英地方選

与党・労働党が大敗

イラク戦争支持、福祉削減響く


 【ロンドン2日西尾正哉】英国で二日行われた地方選挙で、ブレア政権与党の労働党が七百議席以上を失う大敗を喫しました。世論を無視しイラク戦争を進め、医療などの公共サービスの国民不在の「改革」を進めるブレア政権に厳しい結果となりました。

 英BBC放送の二日昼(日本時間同日夜)の集計によると、労働党の得票率は30%どまりで、七百七十二減の二千三百一議席。野党第一党の保守党は35%で五百四十四議席増の三千九百二十六議席。野党第二党の自由民主党も30%で百五十議席増やしました。

 選挙は、スコットランド議会(定数百二十九)とウェールズ議会(同六十)のほか、スコットランドとイングランド地方の市町村議会の約一万議席をめぐって行われました。

 四年に一度で、次回の総選挙の結果を占うとされる今回の地方選挙の結果について、英メディアは、保守党の躍進よりもブレア政権の敗北に注目しています。

 初の大型の選挙で、イラク戦争反対に示された国民の与党批判が大きく影響しました。バーミンガム市で労働党が政権与党の座を失ったのは象徴的です。フィナンシャル・タイムズ紙二日付によると労働党の地方幹部は、イラク戦争に抗議してイスラム教徒が投票しなかったことが原因と認めています。

 BBCによると、投票率は前回よりも大幅に下落。イングランドで投票したのは三人に一人にも満たず、ウェールズ、スコットランドでは前回より約10%下がりました。

 選挙では、公共サービスへの政策も焦点の一つになりました。ブレア政権は、病院建設・運営に民間資金を導入し、政府の管理下からはずすなどの国民保健サービス(NHS)の「改革」を提起。幅広い国民から懸念の声が出されました。イラク戦争への反対以上に多くの労働党国会議員が造反の意を示しています。

 スコットランド議会の選挙では、病院の閉鎖反対、医療の充実を訴えた無所属の女性医師、ターナーさんが労働党候補を破りました。


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