日本共産党

2003年5月7日(水)「しんぶん赤旗」

労基法改悪案は撤回を

山口議員 不当解雇を助長と批判

衆院本会議


 衆院本会議で六日、労働基準法改悪案の趣旨説明がおこなわれ、日本共産党の山口富男議員が質問しました。改悪案は、「労働者を解雇することができる」と新たに使用者による解雇権限を盛り込みました。さらに、裁量労働制の拡大、有期雇用期間の上限延長が主な柱となっています。山口氏は、労働者の雇用、労働条件を根本から切り替え、「労働者を保護するはずの労基法の理念を変質させる」とのべ、撤回を求めました。

 山口氏は、法案の規定は、判例で解雇には正当な理由が必要だとしてきたルールを掘り崩し、「解雇は原則自由」との誤った考え方や不当解雇を助長しかねないと批判しました。

 小泉純一郎首相は、解雇規定の新設は、解雇規制を法律的に明記するもので、「解雇をめぐるトラブル防止・解決につながる」と強弁。解雇の正当性を立証する責任は「従来より労働者側にある」とのべ、使用者に都合のいい解雇規定であることを示しました。

 山口氏は、裁量労働制を本社機能をもつ事業場以外にも拡大することを追及。実際の労働時間をわからなくして違法なサービス残業の温床となっている裁量労働制は「あくまで限定的で、少なくとも無限定に拡大しない措置こそいま取るべきだ」とのべ、「なぜ導入要件を大幅に緩和する必要があるのか」と質問しました。坂口力厚生労働大臣は、「導入には労使の話し合いを必要とする。裁量労働制の対象者が無限定に拡大することはない」と答えました。

 有期雇用の期間上限を現行一年から三年へ延長することについて、山口氏は、「労働コストの大幅削減を目当てに、常用の雇用を有期雇用に置き換える道を、これまで以上にひろげる」と批判し、「事実上の若年定年制に道を開く危険さえある」と指摘しました。


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