2003年5月9日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党の富樫練三議員は八日、空港整備法改正案を審議中の参院国土交通委員会で、静岡県知事が土地収用の準備を表明した静岡空港計画をとりあげ、過大な需要予測にもとづく公益性を盾にした土地収用は認められないと主張しました。
同空港の需要予測は計画申請時(九五年)は百七十八万人でしたが、二〇〇〇年に百二十一万――百二十八万人に修正。「需要予測の精度の一層の向上」を指摘した総務省勧告を受けて四月には百六万人に下方修正されました。
富樫氏はこの需要予測について、近隣空港より静岡空港の運賃をより安く設定したり、近隣空港への接続時間が通常より長くかかるなど静岡空港の利用者が増える身勝手な前提になっていると指摘。「百万人の採算をパスするためにいろんな数字を集めたものだ。総務省勧告にも反する需要予測だ」と批判しました。
洞駿国交省航空局長は「県が事業再評価をしている。それを受けて検証する」と答えました。
富樫氏は、知事の発言について、認定要件である「公益上の必要」があるのかと指摘。「科学的に予測して公益性があるとなって初めて適用できるのであり、根拠のない需要予測なら許されない。きちんとした需要予測をおこない、県民的な合意ができるまでは凍結して抜本的に検討すべきだ」と強調しました。
扇千景国交相は「需要予測を厳重にするようにいっている。県の調査結果に疑義があればもう一度要請したい」と答えました。