2003年5月9日(金)「しんぶん赤旗」
【ワシントン7日遠藤誠二】ブッシュ米大統領は七日、米英軍のイラク侵略に共同歩調をとったスペインのアスナール首相と会談し、米英スペイン三カ国で近日中にイラク制裁解除案を国連安保理に提示すると表明しました。
首脳会談後に記者会見したブッシュ大統領は、「制裁を科された政権は、もはやイラクを支配していない」と述べ、イラク国民にとっても国連による経済制裁の解除が必要だと、指摘しました。
また米政権は、自国によるイラク制裁は解除したことを明らかにしました。
同日、ニューヨークの国連本部を訪問してアナン事務総長と会談したパウエル国務長官は、週内にも制裁解除案を安保理に提出すると言明。米政府当局者によると、同案は週末の九日もしくは週明けの十二日に出されるといいます。
一九九〇年のイラクによるクウェート侵略後に発動した国連の経済制裁をめぐってはイラクを軍事制圧した米ブッシュ政権は早期の解除を主張。一方、フランスやロシアは、国連による大量破壊兵器の査察も終了していない段階での解除に異議を唱えています。米政権は、イラクを侵攻した米軍が大量破壊兵器を捜索するとして、国連の査察再開を認めていません。