日本共産党

2003年5月11日(日)「しんぶん赤旗」

今週の国会

与党、採決強行の構え崩さず

有事法案が重大局面


 有事法案をめぐり、与党側は民主党との「修正協議」の状況をにらみつつ、週内いつでも採決に踏み切る構えで、国会は今週、重大なヤマ場を迎えます。与党側は、民主党との「修正協議」の期限を十二日までと区切り、十五日の本会議をリミットに衆院を通過させる動きです。日本共産党、自由党、社民党は公聴会の開催を含め、徹底審議を求めています。衆院有事法制特別委員会は、十二日に一般質疑を行うことを確認しています。

 個人情報保護法案は、十二日に参院個人情報特別委員会で趣旨説明を行い、十三日から実質審議がスタートします。野党側は、小泉純一郎首相が出席する総括質疑の開催を求めています。

 同法案をめぐって野党四党は、共同対案を衆院で提出しましたが、参院でも、衆院段階の審議をふまえて修正案の共同提出に向け、実務者協議を深めることで合意しています。

 労働者派遣法改悪案の審議は、緊迫した事態を迎えています。同案の審議をめぐっては、法案を所管する木村義雄厚生労働副大臣が九七年、業界団体の依頼で旧厚生省の指導に反対し、指導通知を見送らせ、その業界団体から政治献金を受けていた疑惑が明らかとなっています。木村副大臣は、日本共産党の小沢和秋議員の追及にたいし、「身に覚えはない」と全面否定しましたが、旧厚生省の「内部文書」の存在が明らかとなり、木村副大臣が虚偽答弁をした疑いも出てきました。野党四党は、木村副大臣の即時辞任を要求しています。

 九日の衆院厚生労働委員会では、野党欠席の中、与党三党が採決の前提となる参考人質疑の開催を一方的に議決しました。委員会運営が不正常となり、今週の日程は未定となっています。参考人質疑の日時は委員長に一任されており、与党側は早期採決の構えです。

 大学法人法案は十四日の衆院文部科学委員会で質疑を行います。与党側は早期採決を主張していますが、野党側は慎重審議を求めています。

 衆院法務委員会は十四日、小泉首相出席のもと、司法制度改革法案の質疑を行います。同委員会では同日午前、刑務所問題で、現職刑務官、前矯正管区長、学者を招致し、参考人質疑を行う予定です。

 都市基盤整備公団を廃止し、公共住宅政策からの撤退をいっそうすすめる独立行政法人都市再生機構法案は、十四日の衆院国土交通委員会で採決される見込みです。日本育英会を廃止し、独立行政法人とする日本学生支援機構法案、食品安全基本法案も、十五日、参院の各所管委員会で採決される予定です。


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