2003年5月14日(水)「しんぶん赤旗」
【パリ13日浅田信幸】フランスのドビルパン外相は十三日付仏紙ルモンドのインタビューで、イラク復興に関する米英スペイン提案の国連安保理決議案について、「安保理の責任と権限が奪われてはならない」と発言しました。
同時に決議案は「スタートの基礎になる」とのべ、「開かれた建設的な精神で」国連の役割を明確にするよう修正を働きかける姿勢を明らかにしました。
同外相は「安保理は自らの責任を放棄せずに(米英)連合と行動をともにすべきだ」と指摘。(1)情報と透明性(2)法的なルール(3)明確な期日−―の三原則を提示しました。
情報と透明性では、安保理に対して定期的に報告することと、決議案にいう国連代表の任務と役割を明確にすることを提案。「決議案はこの点であまりにも不明りょうだ」と批判しました。
法的なルールに関しては、決議案には「占領当局に石油開発と結びつく一切の責任を免れさせる考えがある」とのべ、「慎重な検討」が必要だとしています。
日程問題では、「安保理の投票に付されて延長が可能な、厳格で合理的な期日」設定の必要性を強調しました。
そのうえでドビルパン氏は、対イラク制裁の全面解除には「査察官と現場の部隊による国際的確認」がなければならないとし、石油開発では「(国際社会の)全体が受け入れられる明確なルール、イラク人が自分たちの富を奪われないことを保障する透明性のある仕組み」が必要だと強調しています。