2003年5月15日(木)「しんぶん赤旗」
日本共産党の吉川春子議員は十四日、参院個人情報特別委員会で、個人のプライバシーを侵害した自衛官募集のための適齢者名簿づくりを批判し、募集名簿のデータをおさめた情報ファイルについて一年以内に消去することを理由に、総務大臣への事前通知を不要とした問題を追及しました。
石川県七尾市では、中学一―三年生の名簿が三年に一度自衛隊に提供され、これが三―五年間保存され、自衛官募集時に電子ファイル化され、その個人情報をもとにダイレクトメールが送られています。
吉川議員は、募集は数回に及ぶことがあり、一度電子ファイル化したものを一年未満で消去した証拠を示すよう求めました。赤城徳彦防衛庁副長官は「保存期間満了後すみやかに廃棄する」とのべるだけでした。
吉川議員は、中学生本人あてに文書で募集できないことになっており、住民基本台帳で閲覧できる四情報(氏名、生年月日、住所、性別)に含まれない保護者氏名の情報をどう集めるのかと追及しました。赤城副長官は、自治体からの提供は四情報に限られると答弁。吉川氏が四情報にもとづき中学生本人にダイレクトメールを送るのか、自衛隊が保護者氏名の情報を集めて送るのか、文書募集そのものをやめるのかと追及。同副長官は答弁不能になりました。
吉川氏は、住民基本台帳の四情報閲覧によって、ドメスティック・バイオレンス(配偶者からの暴力)の被害者の住所が知られ、「身のおき所がなく、再起できなくなる」とのべ、四情報を保護する重要性を主張。片山虎之助総務相は「学識経験者を含め議論したい。問題意識は持っている」と答弁しました。