日本共産党

2003年5月16日(金)「しんぶん赤旗」

有事法案 廃案へ 私もがんばる

「戦争する国」認めません


 有事三法案が衆院本会議を通過した十五日、国会周辺に集った人々は「平和憲法を踏みにじる悪法を許さない。参院で必ず廃案にしたい」の思いを語りました。


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「武力で平和はつくれない」と雨のなか国会前に集まった陸・海・空・港湾労組20団体の人たちや宗教者=15日、東京・国会前

 西原美香子さん(40)=日本キリスト教協議会

 有事法制は憲法にかかわる法案です。政治家には憲法擁護義務があるでしょう。どうして守らないのですか。総理も、与党も、賛成したほとんどの議員は憲法の下で自分が議員になっていることを忘れているんじゃないでしょうか。国民の声を聞かず採決するなんて、憤りを感じます。私は平和憲法のある日本国民であることに誇りを持っています。教会の子どもたちに「片手に聖書、片手に憲法」の気持ちで“イエス様の言葉を憲法が代弁している”“何より大事なのは命”と教えてきました。それをないがしろにして、議論抜きで通そうとすることに怒っています。

 井上健さん(67)=東京・西東京平和遺族会代表

 平和憲法こそが戦没者の遺言です。東アジア諸国と平和にやってこれたのも、この憲法があったればこそ。北朝鮮の脅威を口実にしていますが、それこそ話し合いで解決すべき問題です。日本をアメリカとともに戦争できる国にしてはなりません。九条が踏みつぶされようとしていることに怒りとともに悲しみ、痛みを感じます。謙虚に平和を願う姿勢が大事です。有事法制を通そうという与党と民主党には、みにくさを感じます。

 西田志緒さん(26)=全厚生労働組合勤務

 「有事=戦争=死」です。絶対に反対。若い私たちに直接かかわってくることだと思います。民主党や自由党は「基本的人権を盛り込んだ」と国会で話していましたが、「基本的人権」をいうなら有事法制そのものに反対すべきではないでしょうか。国民の命と暮らしを守る厚生労働省の組合として、いままでにも署名や大会の特別決議などで有事法制に反対の運動をしてきました。命を否定する法律には絶対賛成できません。参院でも反対の運動を強めていきたい。

 重見純子さん(21)=大阪市内の共同作業所職員

 障害者の共同作業所への補助金を増やすことなどを国会要請にきて、ちょうど有事法案が衆院本会議で採決強行されるところに居合わせることになりました。

 戦争が起こったら、障害者は増え、いちばん被害をうけます。だから有事法案には絶対反対です。私も、大阪府庁前でデモ行進したことがあります。国会にたくさんの人が集まって抗議していることに勇気づけられました。大阪に戻って、有事法案反対の運動の規模を大きくできればと思います。

 布川実さん(46)=全司法労働組合勤務=

 有事法制は、自衛隊が海外で武力行使に道を開くものとして、さらに一歩踏みこんだもの。明らかに憲法違反です。民主党と自民党は議論をせず、裏取引のような形で修正しました。歴史からみても汚点であり、強い怒りを覚えます。私たちの組合は裁判所職員が中心で、憲法擁護義務を持ち、憲法を守る立場で取り組んできました。明らかな憲法違反のこの法案を、参院でなんとしても阻止しなければなりません。これは二十一世紀の国の形にかかわる問題です。


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