2003年5月17日(土)「しんぶん赤旗」

労働者派遣法改悪案

法の順守と監督強化を

衆院委　山口議員が批判

質問する山口議員＝１６日、衆院厚生労働委

　労働者派遣業者の法令違反が後をたたないのに厚労省は口頭指導にとどまり、改善されたか追跡調査もしていない−−日本共産党の山口富男議員は十六日の衆院厚生労働委員会で指導・監督の実態をとりあげ、法違反をますますひどくする労働者派遣法改悪案は認められないと追及しました。

　山口氏は、総務省「行政評価・監視」をもとに北海道では派遣先・派遣元の八割が法令を守っておらず、これは全国的傾向だと指摘しました。

　また、相談や助言にあたる「労働者派遣事業適正運営協力員」会議が九県では一度も開かれていない実態を明らかにし、「いま必要なのは派遣労働が常用雇用の代替とならないよう指導・監督を厳正におこなうことだ」と改善を迫りました。

　坂口力厚労相は「そのようにしていきたい。態勢を立て直してやる」と答弁。協力員会議についても「（会議を）徹底させる」と答えました。

　山口氏は、改悪案が「労使のニーズ」を理由に派遣期間を一年から三年に延長することについて、厚労省調査でも一番強い要求は「正社員で働きたい」「派遣で働くことの雇用不安」だと指摘、「期間を延ばせというニーズがあるなら、常用雇用に切り替えるのが現行法のすじだ」と強調しました。

　また、「派遣先の多くはリストラをすすめている大企業だ」とのべ、リストラをした部門への派遣を制限するなど基準を設けないと常用雇用の代替に使われる歯止めにならないとのべました。

　厚労省の戸苅利和職業安定局長は「労使間で解決するのがのぞましい」と答弁したため、山口氏は「派遣が臨時的・一時的なものにとどまる保障はない」と批判しました。