日本共産党

2003年5月18日(日)「しんぶん赤旗」

米英の修正案

ロ中仏 「なお問題残る」

安保理で事務レベル協議続く


 対イラク制裁解除に関する米英の安保理決議案の修正案をめぐって、国連安保理理事国十五カ国の中東問題担当者は十五、十六日の両日、ニューヨークの国連本部で計九時間にわたって事務レベル協議を続けました。

 ロイター通信によると、協議後、英国代表は「逐条審議が行われた。出された意見を持ち帰って検討し、どの意見を修正案に反映させるか決定する」と、語りました。

 米国は十九日から始まる週内の採決を目指していますが、ロシア、中国、フランスは依然重大な問題が残っているとの姿勢です。しかし、拒否権の行使はにおわせていません。

 十五日に提示された修正案では、特別調整官と呼ばれる国連特使の役割を一部拡大していますが、職務権限の大部分は相変わらず不透明なままです。シリアのメクダッド次席大使は十六日、多くの国がイラク新政府樹立に至る過程で国連がもっと強力な政治的役割を果たすことを望んでいると指摘しました。

 フランスのドビルパン外相は十六日、記者団に対し「修正案は、大きく改善できるものだ」と言明。仏外務省スポークスマンは、フランス独自の修正案を提出すると述べました。

 米、英、仏、ロ、中の安保理五常任理事国は、決議案で四カ月内に終了とされる国連管理の「石油食料交換計画」(食料・医薬品など人道物資購入のためのイラク原油輸出計画)の終わらせ方について、十九日に協議する予定です。


“重大な修正必要”

中ロが一致

 【モスクワ16日北條伸矢】ロシアのフェドートフ外務次官は十六日、モスクワ訪問中の中国の楊文昌外務次官と会談し、米英両国などが提出しているイラク問題での国連安保理決議案に関し、「審議が始まったことは歓迎するが、決議案は重大な修正が必要だ」との点で両国が一致したと語りました。

 フェドートフ氏は「現在の案のままでは、(中ロ)両国にとって重大な問題が発生する」と述べ、イラクの合法政権への権力移譲の時期や、石油・食料交換計画から制裁解除に至る移行過程に付随する諸条件に疑義があると、説明しました。「イラクの石油に対する統制」についても問題があると発言しました。

 また、「中ロ両国は、交渉を通じ、すべての国が受け入れ可能な内容に到達できると考える」と述べ、「こうしたやり方でのみ、国連安保理の団結は回復できる」と強調しました。


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