2003年5月18日(日)「しんぶん赤旗」
2003憲法フェスティバルが十七日、東京の文京シビックホールで、千三百人近い市民が参加して開かれ、憲法と平和、有事法制の問題を考えました。
主催は、弁護士、主婦、会社員らが自主的に参加する実行委員会。毎年、憲法記念日のある五月に開催し、ことしは十七回目。テーマは「戦争から幸せは生まれない! ピース!ピース!ピース!」です。
琉球エイサー会の演舞で開幕。実行委員長の森川文人弁護士が「これだけの人が参加するということは、大きな有事法制反対の表現だと信じています。あきらめない行動の出発点にしよう」とあいさつしました。
講演者の辺見庸さんは、有事法制が衆院を通過した意味と自身の受け止めを語り「知恵を絞って阻止したい。自分の生活圏で原寸大で思想のグラウンド・ゼロの地点から、有事にかかわることはいっさい服従したくない。ともに考えよう」と述べました。
朝鮮舞踊をはさんで、東大教授の姜尚中(カン・サンジュ)さんと翻訳家の池田香代子さんが対談。憲法、有事法制、イラク戦争などで意見をかわし、俳優の加藤剛さんが、自身のエッセーとともに憲法九条を朗読しました。
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十七日、東京・千代田区の星陵会館で、「STOP!有事法制 世界の平和とアジアの未来を考える緊急集会」が開かれ市民ら二百五十人が参加しました。主催は日本ジャーナリスト会議(JCJ)有事法廃案をめざす実行委員会。
シンガー・ソングライターの横井久美子さんが司会。イラク戦争開戦直前までバグダッドに滞在していた国際基督教大学国際関係学科二年の赤尾邦和さん(19)が、高校の授業で友達になったイラクの高校生からの手紙を紹介。「イラクの人が何を望み求めているのかという視点こそが大事です」と訴え、共感の拍手に包まれました。
元国連大学副学長の武者小路公秀さんが基調報告。「米国は自ら『ナラズモノ国家』になった」として「日本はアメリカに先制攻撃をしないようはっきりいうべきだ」と強調しました。
「郡上一揆」などの作品で知られる映画監督の神山征二郎さんと、音楽家の喜納昌吉さんが対談。喜納さんが「アリラン」などを熱唱し、神山さんは「有事法制に衆院議員の九割が賛成した。もう黙っていられない」と心境を語りました。
出版社勤務、東京・北区の水上人江さんは「衆院議員の九割が賛成したというが、国民の九割が賛成したわけではない。『九割』を強調するマスコミの感覚はおかしい。反対運動を強めていきたい」と語りました。