2003年5月19日(月)「しんぶん赤旗」
【ベルリン17日片岡正明】フィッシャー独外相は十九日発売の独週刊誌『シュピーゲル』に掲載されるインタビューで、米国などが提案しているイラク問題での国連安保理決議案について、国連の中心的な役割など三点について修正を求める立場を明らかにしました。
同外相は米国案について「十分であったとしたら討議する必要はない」とのべ、修正が必要だと指摘。ドビルパン仏外相が、米国案について、国連の役割、イラクが輸出する石油の購入、大量破壊兵器の三つの問題について検討が必要だとのべていることを引用し、この三点について米提案は改善可能だと語りました。同外相は「大量破壊兵器がイラクにないということは国連だけが判断できる」と語り、大量破壊兵器の国連査察団による査察再開の可能性に含みを持たせました。
また、「ドイツは国連が中心的な役割をはたす可能性のために力を尽くす」とのべました。
ドイツ軍のイラクでの米国主導の平和安定化部隊への参加については、国連の委任のもとでの北大西洋条約機構(NATO)軍派遣という枠での可能性はあるとしながら、「今のところドイツ軍を投入する基本的な条件はない」と派兵を否定しました。
フィッシャー外相とシュレーダー独首相は、パウエル米国務長官との十六日の会談の中ではイラク制裁解除については基本的に合意すると言明していました。