2003年5月20日(火)「しんぶん赤旗」
日本共産党の塩川鉄也議員は十九日、衆院決算行政監視委員会第一分科会で、旧日本軍の遺棄毒ガス問題について質問し、原因の徹底究明と被害者への公的補償を求めました。
茨城県神栖町では、井戸水を飲んだ住民に深刻な健康被害がおこり、一部の井戸から旧日本軍の毒ガス兵器に由来すると見られる有機ヒ素化合物が検出されています。栃木県益子町では、益子小学校の校庭にイペリット(マスタードガス)が五百―千c埋められていることが、一九七〇年代に政府がまとめた「旧軍毒ガス弾等の全国調査結果報告(案)」で明らかにされています。
塩川議員は、神栖町での健康被害にたいし、公的補償にとりくむよう要求。鈴木俊一環境相は「救済・補償の問題は、重要な課題との問題意識をもっている」と答弁しました。
さらに、神栖、益子両町とも、本土決戦のために軍隊が配置されていた事実を指摘。政府の「調査結果報告(案)」では全国各地の部隊が「若干にしろ毒ガス弾を保有していたものとみられる」と記述していること、戦争末期の学徒義勇隊の日記に「クシャミガス」をまいた証言があることなどを示し、部隊での毒ガス保有が推測されるとのべました。
塩川氏は「米軍の本土上陸に備え、日本軍の部隊に毒ガスが配備されていた。この機会に全国的な毒ガス調査が必要だ」と要求しました。