2003年5月20日(火)「しんぶん赤旗」
【ワシントン18日浜谷浩司】国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は十八日、国連査察団がイラクの大量破壊兵器の調査再開を要求しているにもかかわらず、米政府からは回答がないことを明らかにし、米側の対応に「失望」を表明しました。
タフツ大学(米マサチューセッツ州)での講演で述べたもの。
同事務局長は、国連査察団が大量破壊兵器の調査では米軍よりも実績を積んでいると強調し、国連査察を完了させるため、査察団を現地に復帰させるよう重ねて求めました。
さらに、イラク戦争の教訓として、紛争に直面する都度、戦争に訴えるべきではなく、対話によって問題を解決する必要があると指摘し、国際法の順守を求めました。
同事務局長はまた、イラク国内で核関連施設が略奪され、放射性物質が住宅地にも散乱していると報じられていることに、強い懸念を示しました。