2003年5月21日(水)「しんぶん赤旗」
日本経済団体連合会の奥田碩会長は二十日、厚生労働省で開かれた社会保障審議会の席上、国民年金保険料の滞納者にたいして運転免許の交付をやめる、などのペナルティーを科すべきだと主張しました。
社会保障の負担の在り方について審議したこの日の審議会で奥田氏は、国民年金について、基礎年金に間接税をあてるべきだとのべたうえ、「未納問題は世代内不公平だ」としてペナルティー発言に及んだもの。
国民年金保険料の納入率は、年々低下しています。昨年厚生労働省が社会保障審議会年金部会に示した資料によると、第一号被保険者の保険料未納者二百六十五万人と未加入者九十九万人合わせて三百六十四万人にのぼります。
保険料の未納、国民年金への未加入が増えつづけている要因としては、一人月額一万三千三百円という高い保険料負担とともに、改悪につぐ改悪で年金への国民の信頼が低下していることがあげられます。
高負担、給付削減を改めず、強権的に保険料徴収を強化しようとすれば、国民の反感を買うのは必至です。