2003年5月22日(木)「しんぶん赤旗」
参院個人情報保護特別委員会は二十一日、個人情報保護法案の採決をおこない、与党の賛成多数で可決しました。同日、日本共産党、民主党、国会改革連絡会、社民党の野党四会派は、個人情報取扱事業者にたいする報告聴取・勧告・命令などの適用除外となる「報道目的」「著述目的」などを主務大臣が判断するのではなく、行政から独立した第三者機関を設置することなどを盛り込んだ修正案を提出しましたが、与党の反対で否決されました。
これに先立つ討論で、日本共産党の八田ひろ子議員は、審議のなかで出された自衛官適齢者名簿問題、警察と大手サラ金業者の癒着、個人情報漏えいなど法案審議の前提となる重大な問題を解明しないまま採決することは「国会の責務を放棄するものであり、きわめて遺憾だ」と批判。
また、「主務大臣制」が言論・表現の自由を脅かす恐れがあること、思想、信条など個人の名誉、信用、秘密に直接かかわるセンシティブ情報収集を原則禁止していないこと、自分の情報の取り扱いに本人が関与し選択するという自己情報コントロール権が明記されていないことなど法案の問題点を指摘。「主務大臣制」をやめて第三者機関を設置すること、センシティブ情報の収集を原則禁止すること、自己情報コントロール権の明記を盛り込んだ野党の修正案を受け入れて、法案の欠陥を改めることを求めました。法案の採決終了後、法施行から「三年を目途」に「必要な措置を講ずる」ことなどを盛り込んだ付帯決議が、全会一致で可決されました。