2003年5月22日(木)「しんぶん赤旗」
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衆院厚生労働委員会は二十一日、「派遣労働は臨時的・一時的な労働力」との考えを投げ捨て、正社員の派遣労働者化をいっそうすすめる労働者派遣法・職業安定法両改悪案を、自民、公明、保守新の賛成で可決しました。日本共産党、民主党、自由党、社民党は反対しました。
採決後、「解雇は原則自由」などの規定を盛り込んだ労働基準法改悪案の趣旨説明がおこなわれました。
日本共産党の山口富男議員が反対討論に立ち、改悪案は、労働者派遣の対象業務や派遣期間の制限など、「常用雇用の代替への『歯止め』とされた措置を大きく崩すことによって、財界・大企業の求めるいっそうの規制緩和をはかるもので、到底認められない」と、厳しく批判しました。
山口氏は、制限はずしが「派遣労働は臨時的・一時的な労働力」という現行派遣法の考え方を変質させ、常用労働の不安定な派遣労働への置き換えをすすめること、製造現場への派遣労働の解禁で、正社員、派遣労働、請負などさまざまな労働者が混在し、安全面など労働条件の悪化を生むこと、また、「紹介予定派遣」が労働者の選別と採用差別をもたらし、過酷な労働の押し付けや「使い捨て」すら生み出しかねないことなどを指摘しました。
さらに、職安法改悪案の、貸金業等の「職業紹介事業の兼業禁止規定の削除」は、サラ金業者などの無法な取り立ての横行と一体の強制的な労働に道を開く危険があるとして、反対しました。
同法案付帯決議には、日本共産党が主張した貸金業者と職業紹介事業との兼業の許可基準に、必要な対応を図ることが盛り込まれ、賛成多数で可決されました。