2003年5月23日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党の小池晃参院議員は、二十二日の厚生労働委員会で、新型肺炎(サーズ=SARS、重症急性呼吸器症候群)の問題で、厚生労働省の姿勢をただしました。
小池氏は、台湾の医師の感染情報の連絡が遅れた問題で、厚労省の責任を追及し、緊急連絡体制の確立を求めました。
坂口力厚生労働相は、感染情報の遅れについて「情報に敏感に反応し、確認をすべきだった。それをしなかったことが大きな過ちの発端だった」と責任を認めました。小池氏は、台湾医師の通過で問題となった関西空港検疫所の実情を示し、当面の対策強化策として検疫官の増員を求めました。
実際の検疫担当職員は医師、検疫管理官など二十四人で、二十四時間の交代業務。午前十一時から午後十一時まで勤務し、仮眠したあと翌朝五時から午前十一時まで働くケースもあるとし、小池氏は「過酷だ。これでは集中力も持続せず、体力の低下は感染の危険を増す」と指摘しました。
坂口厚労相は、二十一日に全国で三十一人の増員を指示したと答弁しました。
小池氏は、出入国者が八九年の千二百六十五万人から昨年の二千二百三十万人へ激増しているにもかかわらず、検疫官が逆に削減されてきたことを批判し、検疫体制の抜本的な強化を求めました。
また、「国内患者発生時には感染防止対策とあわせて人権の尊重が重要だ」と強調。坂口厚労相は「感染拡大防止を人権を守りながらやっていきたい」と答えました。