2003年5月25日(日)「しんぶん赤旗」
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有事法制の危険な狙いを地方自治体との関係で明らかにしていこうとシンポジウム「有事法制と地方自治体」が二十四日、東京都内で開かれました。「『地方自治体憲章』運動をすすめる会」(事務局・自治労連)が主催したものです。
自治労連の駒場忠親委員長の司会で、三人のパネリストが発言。渡辺治・一橋大学教授は、なぜアメリカはイラクを攻撃したのか、なぜ有事法制が浮上したのかをアメリカの世界戦略の変化をたどりながら解明。アメリカは東アジア地域でおこなう軍事行動への後方支援を日本に求めており、そのために物資の調達や輸送などのために民間企業や自治体を動員する有事法制をねらっている、と指摘しました。
白藤博行・専修大学教授は、周辺事態法では自治体への「協力」という条文にとどまっていたが、武力攻撃事態法案では、自治体の「責務」規定となったことを強調。「公共の福祉」のために基本的人権の制約は当然とする「国民保護法制」の危険性を指摘しました。「無防備地帯宣言」や「自治体平和憲章」の運動を提起しました。
東京・国立市の上原公子市長は、有事法案について政府に二回の質問書をだした経過を報告。なかなか回答しようとしない政府の姿勢を批判して、「自治体にすらなにも答えないなかで有事法案を通そうしている」と語りました。
新日本婦人の会の玉田恵事務局長が主催者あいさつし、航空安全会議の中川香副議長が連帯あいさつしました。