2003年5月27日(火)「しんぶん赤旗」
【パリ26日浅田信幸】スペインで二十五日、全国すべての地方自治体でいっせい選挙の投開票がおこなわれ、イラク戦争を支持したアスナール政権与党の国民党が二〇〇〇年三月の総選挙に比べて得票率で10ポイントの後退を喫し、敗北しました。一九九六年まで中道左派政権を担っていた社会労働党(PSOE)が全国的な得票率で十年ぶりに第一党の座を回復しました。
スペイン政府は、ブッシュ米政権のイラク戦争を積極的に支持、武力行使容認の国連決議案を米英と共同提案しました。
世論調査ではスペイン国民の八割が戦争に反対しました。今回の選挙結果は、圧倒的多数の世論に背を向けた国民党への批判を反映しています。昨年末に起きた油送船座礁・重油流出事故への対応の遅れにも国民の批判が高まっていました。
全国開票率99%の時点での得票率は、社会労働党がほぼ35%、国民党は34%で、その差は1ポイント以下ですが、社会党は第一党を確定的にしました。共産党を中心とする統一左翼は6%となっています。
首都マドリードでは国民党が単独過半数を維持しました。