日本共産党

2003年5月27日(火)「しんぶん赤旗」

米、イラン敵視強める

強硬手段の可能性も 米紙報道


 【ワシントン25日浜谷浩司】ブッシュ米政権はイランへの敵視を強めており、今後の展開いかんでは強硬手段にでてくる可能性もあります。

 ワシントン・ポスト紙二十五日付によると、米政府はこのほど、イラン政府との接触を断つことを決定しました。サウジアラビアのリヤドで十二日に発生した爆弾テロに、イランに潜むテロ組織アルカイダのメンバーがかかわったとの見方を強めているため、とされます。これに対してイランのザリフ国連大使は同日のABCテレビで、イランがアルカイダのメンバーを他のどの国よりも多く拘留していると述べ、イランがテロリストの隠れ場所になっているとの非難に反論しました。

 ワシントン・ポスト紙はさらに、ブッシュ政権が二十七日に対イラン政策を協議する予定で、これを前に、国防総省がイラン国内の反政府運動を強める活動を要求し、国務省も同調しつつあると伝えました。

 ネオコン(新保守主義者)の旗手ウルフォウィッツ国防副長官は二十二日、上院外交委員会で、米軍占領下でのイラク「民主化」は、隣国イランの体制に挑戦状を突きつけるものだと証言しました。イラク占領は、イランの「体制転換」を促進するチャンスだとする見方です。

 同副長官は、イラク「民主化」がイラン国民の反政府感情を高めると指摘。また、イラクで多数を占めるシーア派住民が聖職者統治に反対することで、シーア派住民が圧倒的多数を占めるイランでも、聖職者統治への反対を促進できるとの考えを示しました。

 ブッシュ大統領は昨年一月、イランをイラクと並んで「悪の枢軸」と攻撃。さらに、イランが核兵器の開発を進めているとの非難を強めてきました。

 一方、ロバーツ上院情報特別委員会委員長(共和党)はNBCテレビで二十二日、イランについて「大きな問題だ」としながらも、同国との「よりよい協力関係」「いいニュース」が間近いとの観測を示しました。

 ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は二十五日、米政府がイランに対して、サウジでのテロに関連して、アルカイダのメンバーを米国に引き渡すよう要求していると伝えています。


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