2003年5月28日(水)「しんぶん赤旗」
【モスクワ27日北條伸矢】ロシア公式訪問中の中国の胡錦濤国家主席は二十七日午後(日本時間同日夜)、クレムリンでロシアのプーチン大統領と会談しました。会談後に発表された共同声明は「イラクの戦後復興で中心的役割を果たすのは国連であるべきだ」「武力による北朝鮮問題の解決は受け入れられない」と指摘。両国の戦略的関係を強化しながら、「国際法に基づき、多極的で公正、民主的な国際社会をめざす」と強調しています。
プーチン氏は会談の冒頭、「両国はかつてないほど良好な関係にある」と発言。主席就任後初の外国訪問がロシアとなった胡氏も「ロシアは世界的権威と影響を持つ偉大な隣国」と応じました。両首脳は公式会談に先立つ二十六日夜もモスクワ郊外の大統領公邸で非公式に意見交換し、夫人を含めた夕食会を開くなど、首脳間の「密接な関係」を打ち出しました。
共同声明はイラク問題に関して、当面の優先課題として人道分野をあげ、一刻も早く国内情勢を安定させる必要があるとし、「一連の安保理決議を基礎に、国連の枠内で問題を解決する以外ない」と述べています。さらに、その過程で「近隣各国や利害関係を持つ各国の合法的権利や利益、懸念を考慮すべきだ」としています。