日本共産党

2003年5月29日(木)「しんぶん赤旗」

有事法案

戦況報道も民放に強制

参院特別委で官房長官 放送内容の概要示す


 福田康夫官房長官は二十八日、参院有事法制特別委員会で、有事法制を発動した場合に「指定公共機関」に指定した民間放送事業者におこなわせる放送内容の概要を示しました。このなかには、「武力攻撃事態の現状および今後の予測」や「武力攻撃事態に関する状況の推移」といった戦況報道も含まれています。岡崎トミ子議員(民主)の質問に答えたもの。

 福田長官が示した概要は、二月に内閣官房が民間放送事業者に対し「放送をお願いする事項」と題して配布した資料。政府が一方的に判断した戦況の「現状」や「予測」の報道まで民放に強制することは「報道の自由」を侵害する危険があり、かつての大本営発表を想起させるものです。

 有事法案の中核である武力攻撃事態法案は、戦争協力を「責務」とする指定公共機関に民間企業・機関を指定できることを定めています。戦争協力を拒否しても、政府は法的拘束力のある指示権を発動できる仕組みになっています。政府は、指定公共機関にNHKだけでなく民間放送事業者も含める考えで、これに対し、民間放送連盟(会長=日枝久・フジテレビジョン会長)は「政府が放送内容に介入するおそれ」を指摘し、「受け入れは難しい」と批判しています。

◇   ◇

 福田長官が示した民間放送事業者におこなわせる放送内容の項目は次の通りです。

 放送をお願いする事項

 一、警報の発令、解除

 武力攻撃事態の現状および今後の予測、危険地域、住民の避難に関し実施すべき対処措置

 二、武力攻撃事態の状況

 武力攻撃事態に関する状況の推移、住民の避難や避難住民等に対する救援の状況、関係機関による対処の状況

 三、避難の指示および解除

 住民の避難をおこなう地域、住民の避難先となる地域、予測される避難の期間、避難の方法


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