日本共産党

2003年5月29日(木)「しんぶん赤旗」

中国主席が「国際新秩序」提唱

国連の権威尊重し解決を

武力で平和達成できない


 【モスクワ28日北條伸矢】ロシア公式訪問中の中国の胡錦濤国家主席は二十八日午前、外交官養成などで知られるモスクワ国際関係大学で講演し、「武力によっては平和と安全保障を達成できない」などとして、五項目にわたる「国際政治経済新秩序」を提唱しました。

 「新秩序」は、(1)どの国家も国際問題に平等に参加する権利を持つなど国際関係の民主化を促進する(2)文化や価値観などの多様性を尊重する(3)武力や強権で平和が達成されてはならない(4)世界経済の均衡発展を促進する(5)国連の権威を尊重し重要問題解決で役割を発揮させる―の五項目です。

 胡主席は、世界情勢の現状を「地域的な動揺を伴う全般的な安定状態」と規定し、とりわけ「一国行動主義への傾斜」の傾向に警鐘を鳴らしました。さらに「国際秩序の多極化への流れは歴史の必然かつ支配的なもので、後戻りできない。紆余(うよ)曲折はあっても、この流れは勝利するだろう」と言明。国連安保理常任理事国である中ロ両国は「共通の関心を持っており、国連の役割を強化し、多極型の国際秩序を構築していく課題で共通あるいは非常に接近した立場を堅持している」と語りました。

 さらに「中国は、たとえ今後いっそう強大な国家になったとしても、世界で覇権を求めたり、勢力拡大を図ったりすることは絶対にないだろう」と強調しました。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp