日本共産党

2003年5月30日(金)「しんぶん赤旗」

イラク復興

国連の役割が重要

上海協力機構首脳会議で宣言


 【モスクワ29日北條伸矢】中国、ロシア、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタンの六カ国で構成する上海協力機構は二十九日、モスクワで通算八回目となる首脳会議を開催、「イラク復興の事業で重要な役割を果たすのは国連である」との共同宣言を採択しました。

 中国の胡錦濤国家主席は会議で「イラク戦争は基本的に終わったが、国際情勢に関する熟考は始まったばかりだ」と述べました。またロシアのプーチン大統領は「テロや分離主義との共同闘争」の重要性に言及し、会議後の記者会見では「国際関係の仕組みの中では、普遍的・包括的機関として国連に代わる存在はない。これが(上海協力機構)加盟国の共通の評価だ」と説明しました。

 共同宣言は「テロとの闘争は国際法の規範や原則に基づくべきで、個々の宗教や国家、民族を同一視してはならない」と指摘。「世界の政治・安全保障問題を効果的に解決するため、急速に変化しつつある世界情勢に従い、国連を改革することは可能かつ必要である」として、国連で「新しい挑戦や脅威に対抗する世界規模の戦略」を策定することを提案しています。

 会議では、常設機関として本部事務局を北京に、地域反テロ・センターをキルギスの首都ビシケクに設置、来年一月までに活動を開始することが決まりました。初代事務局長には駐ロシア中国大使の張徳広氏が就任します。次回の首脳会議は来年、ウズベクの首都タシケントで開かれます。


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