日本共産党

2003年5月31日(土)「しんぶん赤旗」

労基法改悪

労働時間規制を守れ

山口議員 裁量労働の拡大を批判


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質問する山口富男議員=30日、衆院厚労委

 日本共産党の山口富男議員は三十日の衆院厚生労働委員会で、労働基準法改悪案について質問し、いくら働いても決めた時間しか働いたと認めない裁量労働の適用拡大についてただしました。

 取り上げたのは、全ホワイトカラーに裁量労働を広げることを視野に、社員の30%に導入した電機大手・NECの例。山口氏は「ホワイトカラーの業務すべてが企画型裁量労働に該当することとなるものではない」との労働基準局長通達(一九九九年一月)に照らしても、「無限定にホワイトカラー全体に広げることは認められない」と批判しました。

 厚労省の松崎朗労働基準局長は、「ホワイトカラーなら何でも、ということにはならない」と答弁しました。

 政府は「規制改革推進三カ年計画(再改定)」で、米国のホワイトカラーエグザンプション(適用除外)制度を参考に、裁量性の高い業務については、労働時間規制の適用から除外する方式の採用を検討しています。

 山口氏は、「ホワイトカラー全体に裁量労働を広め、日本の労働者を労働時間規制の外に置くことは許されない」と追及しました。坂口力厚生労働相は、「これまでの法律の範囲で考え、あてはまらないものは取り上げない」と答えました。

 改悪案では、本社機能を持つ事業場に限定していた裁量労働制の導入要件を削除します。山口氏は「本社等の企画、調査等の非定型的な業務を担当する方に限る」とした基本理念を変えるものだと批判しました。その上で労使委員会の信任や届け出も廃止するなど導入手続きの緩和は、「労使委員会を設けた趣旨に反する」と指摘しました。

 山口氏は、民主党の修正案にもふれ、「解雇の規制が明確になるような修正を」とのべて政府に修正を求めました。


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