2003年5月31日(土)「しんぶん赤旗」
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生命保険会社が契約者に約束した運用利回り(予定利率)を破たん前に引き下げることを可能にする保険業法改悪案の質疑が三十日、衆院本会議で行われました。日本共産党の吉井英勝議員は法案について「保険契約者が受け取る保険金を大幅にカットして、国民の生活設計に大打撃を与える」と批判しました。(4面に関連記事)
予定利率の引き下げ対象となるのは、一九九五年以前の契約者です。金融庁の試算では最大40%も保険金がカットされます。しかも、解約には制限が設けられるため、当座の生活費にも悪影響が及ぶ可能性があります。
吉井氏は、保険契約者が引き下げに反対の異議申し立てをしようとしても厳しい要件をクリアしなければならないことなどを指摘し「法案は到底『社会的認知』が得られない」と批判しました。
また、生保危機を生んだ経営者の責任だけでなく、保険会社の経営悪化を知りながら適切な検査、監督を行わなかった金融庁、株価の急落を引き起こした小泉内閣の責任を追及し、「経済失政のツケを国民と契約者に押しつけるべきではない」と批判しました。
竹中平蔵金融担当相は、「今回の法案は保険会社、契約者間の自主的な手続きによって条件を変更する新たな選択肢を追加するもの」と合理化。「基本的に保険契約者の保護に資する」と繰り返しました。