日本共産党

2003年6月1日(日)「しんぶん赤旗」

受診、治療中断4割が「あった」

 医療費3割負担 保団連が医療機関調査


 四月から健保本人の医療費負担が、二割から三割になったことで、四割を超える医療機関で、患者負担増が原因と思われる受診や治療の中断がおきていることが三十一日、わかりました。全国保険医団体連合会(室生昇会長、九万八千人)の全国アンケート調査によるもの。


図
診療への影響件数(医科)
投薬日数や薬の種類の変更321
受診日数を減らした283
検査を減らしたり、変更した234
診療内容等を変更した10

慢性病で多く

 調査は、負担増一カ月の影響について行い、千二百六十五医療機関(医科八百十五、歯科四百五十)が回答しました。

 患者負担増が原因と思われる受診や治療の中断が「あった」と答えたのは、医科で42・2%、歯科で42・3%。中断のあった疾患は、医科で高血圧症や高脂血症、糖尿病、胃炎・胃かいよう、腰・膝痛・関節症など。歯科では、歯周病や欠損歯、むし歯などで慢性疾患が多くをしめています。

 患者負担増で診療内容に影響を「受けた」との回答が医科で65・0%、歯科で49・1%あり、「受診日数を減らした」「検査を減らしたり、変更した」「投薬日数や薬の種類を変更した」とアンケートに答えています。


減る外来患者

 医師からは、「痛みさえ止まればそこまでで、来院する患者数が二−三割減少」「慢性期の歯周病患者や、急性期を超えたむし歯などの患者の中断が多くなった」との声が寄せられています。

 四月の外来患者数では前年同月と比べ、「減った」が医科で68・7%、歯科で64・9%と六割から七割にのぼっています。減少割合は二割未満が医科74・3%、歯科69・5%。「三割以上」も医科で4・1%、歯科で8・9%ありました。

 四月分の外来の診療報酬が「減った」は医科で78・8%、歯科で69・8%と、経営上も深刻な結果が出ています。


「2割に戻せ」運動広げたい

 室生昇・保団連会長の話 自覚症状がなくなっても病気は治っていないことが多い。むしろ受診や治療の中断によってさらに悪化したり、場合によっては生命を脅かされるケースもあります。深刻な事態です。不況のなかでリストラや労働強化、ストレスもあり、国民の健康状態は悪化しています。このなかでの患者の減少です。負担増によって患者の受診抑制がおき、国民の健康を悪化させていることは明らかです。患者負担を二割に戻せと国民的な運動を広げていきたい。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp