2003年6月3日(火)「しんぶん赤旗」
福田康夫官房長官は二日の参院有事法制特別委員会で、日本の医療従事者の三分の一以上を占める公務員の医師・看護師が、日本が武力攻撃を受けていない「武力攻撃予測事態」の段階から、在日米軍支援に従事することは「公務員の任務」との見解を示しました。日本共産党の小池晃議員の追及に答えたもの。
小池議員は、武力攻撃事態法案で国・地方公共団体は有事に対処するための「責務」を有するとされている点に関連し、「『予測事態』の段階から医療に従事する公務員を動員する法的枠組みなのか」とただしました。
福田官房長官は、「国民の生命・身体・財産を保護するためということであり、医療に携わっている公務員が医療を行うのは当然のこと」と答弁しました。さらに、日本周辺に部隊を展開させ、兵たん補給作戦を行っている在日米軍への医療支援について、「予測事態において、医療活動でも任務は変わらない」と、医療公務員の動員を当然視しました。
また、同長官は「公務員の場合、公務員法で職務を行うことが規定されている」とのべ、公務員は有事への「対処措置」にもとづく業務命令を拒否できないとの見解を示しました。
小池議員は、「(自治体・民間の強制動員ができない)周辺事態法の制約が外され、『予測事態』から強制動員を可能にする有事法制の危険性がいよいよはっきりした」と指摘。廃案を強く主張しました。