2003年6月3日(火)「しんぶん赤旗」
日本共産党の井上哲士参院議員は、二日の法務委・厚生労働委の連合審査会で、心神喪失者処遇法案について質問しました。
井上氏は、法案で精神障害者の受け入れ先として導入される「指定入院医療機関」の医療水準を抜本的に引き上げることの必要性を提起。「指定入院医療機関」の有力候補となっている、国立武蔵病院における医療体制の不十分な実態を示し、政府答弁で「手厚い専門的医療を保障する」と繰り返されていても、具体的対策は全く示されていないと強調。「これでは新たな『閉じ込め』となるという懸念は当然だ。このままで法案を通すわけにはいかない」と主張しました。
井上氏は、精神科医療のセンター病院である国立武蔵病院で、昨年十月には二十五人いた常勤の医師が、現在二十一人になっても補充されていないと指摘。また、夜勤について人事院判定では「複数で月八日」以内としているのに、三つの病棟では、配置人員のうち、十人以上がそれに反する状態になっていることをあげ、「センター病院がこんな状態で、法案が求める手厚い医療ができるのか」とただしました。
坂口力厚労相は、「現場のことは知らないが、それがいわれるとおりであるのなら憂うべき状態だ。医師の確保を急がなければならない」と答えました。