2003年6月4日(水)「しんぶん赤旗」
【エビアン3日浅田信幸】フランス東部のエビアンで一日から開かれた主要国首脳会議(G8サミット)は三日、議長を務めるシラク・フランス大統領の「総括」で、世界経済復調、中東における和平の進展への信頼を強調、北朝鮮の核開発や拉致問題について「平和的手段による包括的解決を支持」すると確認して閉幕しました。核開発問題ではイランにも強い警告を発しました。
閉幕後の記者会見でシラク大統領は、米英が国連の承認なしでイラク戦争をしたことに「私は承認しなかったし、今後も承認しない」とのべ、戦争が「不当、不法であった」との判断を繰り返しました。大統領はまた「戦争は一国でもできるが平和は一国ではできない」とのべ、多国間の国際協調の必要を強調しました。
初参加の中国を含め途上国十二カ国の首脳を交えた「拡大対話」で幕を開けた今回のサミットは、「責任」「連帯」「安全保障」を大きな三つのテーマとし、それぞれに行動計画や宣言、声明など計十数本の文書を相次ぎ採択しました。
シラク大統領は「対話のサミット」「信頼のサミット」であったと強調。「拡大対話」の意義を強調。また、今回のサミットが「責任ある市場経済」の文言を議長総括に取り入れたことに言及し、これが経済活動にとどまらず「社会的責任」「環境上での責任」におよぶと指摘。「この種の決定がサミットでとられたのは初めてだ」とのべました。