日本共産党

2003年6月5日(木)「しんぶん赤旗」

予定利率引下げ

生保加入者4割に影響

吉井氏に金融庁 最大40%保険金削減も


 日本共産党の吉井英勝議員は三日の衆院財務金融委員会で、生命保険の予定利率引き下げを可能にする保険業法改悪案について、「将来に備えた国民の自助努力を踏みにじる国家的詐欺行為」と批判しました。

 吉井氏は、「改悪案による予定利率の引き下げでどれだけの人が影響を受けるか」と質問。金融庁の藤原隆総務企画局長は「五千百四十四万三千人」と述べ、民間の保険加入者の41・9%に影響が出ることを明らかにしました。

 吉井氏は、金融庁が予定利率の引き下げで最大40%保険金が削減されると試算していることも指摘。予定利率は保険会社が約束した契約であり、それをほごにすることは「保険に対する信頼性を損ない、保険業そのものの存在意義を失わせる」と批判しました。

 さらに吉井氏は、政府が「利率の引き下げは契約者が(総代会などで話し合って)自主的に決める」と主張していることについて、「ごまかしの手法だ」と指摘。改悪案では、契約者が予定利率の引き下げを拒否するには、引き下げ対象となる契約者総数の一割超が異議申し立てをして、その契約金額が変更契約金総額(責任準備金残高)の一割超でなければならないとされています。

 吉井氏は、仮に日本生命が予定利率を3%に引き下げた場合、異議申し立てに必要な契約金額は約二兆円に及ぶことを例示、「この金額に相当する異議申立人を集めることは事実上、不可能だ」と指摘しました。

 藤原局長は、吉井氏の指摘を否定できず、「日本生命で(異議申立人は)百二十万人必要となるが、それができるかどうか判断しかねる」と述べました。


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