2003年6月6日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党の畑野君枝議員は五日、参院文教科学委員会で、各大学の中期目標を文科相が決定するとしている国立大学法人法案が、学問の自由を侵す危険性を追及しました。
畑野氏は、「大学の教育研究は対象領域も深くて広い。大臣にすべての大学の中期目標を決定する能力があるのか」と質問しました。遠山敦子文科相は、「個々の研究の具体的内容については専門家に聞くのが一番だ」と答え、大臣に決定能力がないことが浮き彫りになりました。畑野氏は「大学のことが一番わかるのは大学であり、目標を定める能力も大学にこそあるということだ」と指摘しました。
畑野氏は、新聞の論壇で第一線の研究者が、法案が国の介入を招き、学問の自由を脅かしかねないと懸念を表明していることを紹介しました。遠山文科相は、「学問の自由を守るのは当然。国は教育研究の内容には介入しない」と繰り返しました。
畑野氏は「ではなぜ『教育研究の質の向上』にかかわる事項を定める中期目標まで大臣が定めるのか。原案にない内容を押しつけることもあるのか」とただしました。遠山文科相は「大学が作成した目標の原案があまりに抽象的なら、書き足すよう意見を言うかもしれない」など、教育研究の具体的な内容にも国が関与していくことを認めました。