2003年6月7日(土)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は六日の参院本会議で有事三法案の採決が強行されたことについて、本会議終了後に記者会見し、次の談話を発表しました。
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一、多くの日本国民の強い反対、アジア諸国民の深い危惧(きぐ)と憂慮の声を押し切って、本日、有事関連三法の採決が、自民党、公明党、保守新党の与党三党と、民主党、自由党の賛成によって強行された。
わが党が、衆参の国会論戦で明らかにしてきたように、有事三法は、米軍が引き起こす海外での先制攻撃の戦争に、自衛隊が公然たる武力行使をもって参加し、罰則つきで国民を強制動員するところに、その危険な本質がある。
わが党は、憲法九条を正面からふみやぶるこの歴史的暴挙にたいして、強い憤りをもって抗議するものである。
一、有事三法は強行されたが、たたかいはつづく。周辺事態法とともに有事法制の発動を許さないたたかいが、きわめて重要である。
国会では九割という異常な多数派の翼賛体制がつくられたが、国民のなかでは歴史的悪法にたいする批判は根強い力をもっている。昨年春の法案提出以来、全国各地で幾度となくとりくまれた数千、数万という規模での反対集会、全国各地の自治体からよせられた批判の声など、国民の世論と運動が、この悪法の強行を一年以上にわたって阻んできたことに、それははっきりとしめされている。
韓国、中国をはじめ、アジア各国からの憂慮も根強いものがある。日本国民のたたかいによって、また東アジアの平和と安定を築く外交努力によって、この悪法の発動を未然にふせぐ条件はある。
「米軍支援法制」をはじめ、有事法制の具体化に反対するたたかいも、有事法制の発動を許さないうえで、きわめて重要となってくる。
一、さらに、米国による先制攻撃戦略の発動の拡大を許さず、国連憲章の平和のルールを守る国際的たたかいを発展させることが、周辺事態法や有事法制を発動させないための、根本的な保障となる。イラク戦争をめぐっても、世界では、国連憲章の平和秩序を守り、発展させようという流れが、力強い多数派を形づくっていることがしめされた。この流れを、新しい世紀に大きく発展させる努力が大切である。
日本共産党は、この歴史的悪法の発動を許さず、これを廃止することをめざして、ひきつづき奮闘するものである。