2003年6月7日(土)「しんぶん赤旗」
有事三法案の採決が参院本会議で強行された六日、日本共産党や広範な労働組合、市民団体は各地で強行採決に抗議して、発動を許さないたたかいへの決意をこめて街頭演説や宣伝、集会などを繰り広げました。
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神戸市三宮の東遊園地では夕刻、立場の違いを超えて幅広い労組・団体が共同して、「平和こそ市民の願い 戦争への道を許さない−6・6兵庫県集会」を開催し、四千人以上が集まりました。
主催は「STOP!有事法制兵庫県集会実行委員会」。連合加盟の自治労県本部、全労連傘下の兵庫労連、新聞労連神戸新聞・デイリースポーツ労組など五十三団体が参加しています。
主催者を代表して自治労県本部の小田不二夫委員長代行が「衆参約九割の議員が賛同し、ファッショ政治のようだ。明日から戦争を許さないとりくみを」と訴えました。
日本共産党の大沢辰美参院議員、掛水須美枝・社民党県連代表、永井俊作・新社会党県本部副委員長があいさつ。大沢氏は「広がった有事法制反対のたたかいを、発動させないたたかいへ前進させよう」と訴えました。
参加者は「戦争のための法律を拒否します」との集会アピールを採択し、デモ行進しました。
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「沖縄戦を繰り返すな。有事法制強行成立糾弾!」−−那覇市で六日、毎週金曜日に県庁周辺を一周する「昼休みデモ」が千九回目となるこの日、有事法制強行への抗議の声をあげました。
デモ隊は、有事法制の強行に抗議するとともに、「日本を戦争する国にするな」「アメリカの戦争協力に反対」などと唱和。「具体化、発動を許さないたたかいはまだまだ続きます」と沿道の県民に呼びかけました。
実行委員長の上原和博さん(那覇民主診療所所長)は、「有事法制が通ったからといって市民は戦争に協力できないということを訴えていく。これからも、さらに反対運動を広げていきたい」と話していました。
京都府内では、日本共産党の穀田恵二衆院議員・国対委員長、西山とき子参院議員、石村かず子衆院三区候補が夕方、京都市四条河原町で、吉田さゆみ衆院五区候補が終日、丹後、与謝地域で訴えました。
穀田氏は「イラク戦争に対する史上空前の反戦運動として刻まれた歴史を、二十一世紀は持っているし、はらんでいる。このことをしっかりと見据えてたたかおう」と力説。
バス待ちの人たちから共感の拍手が寄せられました。
名古屋市中区栄では午後六時から、日本共産党の八田ひろ子参院議員と瀬古由起子衆院議員が「歴史的悪法の発動を許さず、日本を戦争をする国にする策動を許さないため、引き続き全力をあげます」と街頭演説。訴えを聞いた東区の石原巌さん(70)は「公明や民主がついて法案が通ったが有事法制は間違っている。小泉首相を変えなければ」と話しました。
また、同市中区・金山総合駅前では午後五時半から、成瀬昇氏ら革新・愛知の会の人たちが街頭宣伝を行いました。
「ここにこずにはいられなかった。許せない。でもあきらめません」。カトリック東京正義と平和協議会の宗郁子さん(44)はいいました。
六日、有事法制が参院本会議で可決された直後、「有事法制反対」の抗議の声はひときわ大きく、国会を包みました。
抗議の緊急報告会には、三百人の人がつめかけました。「見えなーい」と、人垣の外からぴょんぴょんとびながら日本共産党の志位委員長の報告をきいていたのは、東京・練馬区の姉妹、猿田ゆうさん(25)と、なおさん(19)です。
初めて本会議を傍聴しました。「歴史的な日をこの目で確かめたい、どれだけムカツクことか見てみたいと思ってきました」となおさん。
「最初はただ戦争がいやだった。でも、いろんな人の話をきいて、戦争は二度としないと決意して憲法をつくり出した人の思い、第二次世界大戦のさなかに生きた人の思いを、自分たちは背負っているのだと気づいた。強行し賛成した人たちにもどう思っているのかききたい。歴史の逆流は許せない」とゆうさん。デザイナーをめざして勉強しているなおさんは「夢をつぶされたくない。将来子どもを産んだらその子を戦争に協力させたくない」と涙で目をうるませました。
「確実に有事法制反対をアピールする人は増えている」(ゆう)、「今日見たことを生かして広げたい。絶対戦争に協力したくない」(なお)。