2003年6月12日(木)「しんぶん赤旗」
少子化社会対策基本法案が十一日、衆院内閣委員会で賛成多数で可決されました。同法案は、与党と民主党議員の提案によるもの。少子化の進展に歯止めをかけ、少子化に対処する施策の総合的な推進をうたっています。
日本共産党は、修正案を提案しましたが、否決されました。日本共産党は、法案前文に「結婚や出産は個人の決定に基づくもの」と追加された共同修正案(与党と民主党が提案)および原案に賛成しました。自由党と社民党は反対しました。
日本共産党の修正案は、(1)第一条「目的」に「少子化社会を克服」と明記し立法趣旨を明確にする(2)第二条「基本理念」に「結婚及び出産は個人の選択に委ねられるべき」だという条文を加える―というものです。
採決に先立って児玉健次議員が質問。全国一・三二の出生率の中で東京は一・〇二、京都は一・一七と地域格差があることについて、社会的特徴・要因をどう判断しているかをただしました。
青木豊大臣官房審議官は「長時間労働者の比率が高い地域ほど出生率が低いという相関関係がある。少子化を克服する上でも、時間外労働の縮減や年次有給休暇の取得の促進が有意義だ」とのべました。
児玉氏は「出生率は過去最低、完全失業者は過去最多、こうした日本社会の状況をすみやかに改善することが求められている」と主張しました。
児玉氏はまた、国立社会保障・人口問題研究所の報告で、保育所定員を50%増やし、家賃と教育費を30%引き下げたら、九六年の出生率一・四三は一・八〇まで上昇するとのシミュレーションを示して、この方向を真剣に追求するべきだと主張しました。