2003年6月13日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党の小池晃議員は十二日の参院厚生労働委員会で、労働基準法改悪案について質問しました。横行している“ニセ裁量労働制”の実態をあげ、労働時間の管理を大幅にゆるめる裁量労働制の拡大をやめるよう求めました。
裁量労働制は労働時間の管理を労働者にまかせるもので、本社部門にしか導入できません。ところが、大手電機メーカーの東芝京浜事業所(横浜市)では、「始業・終業時刻は従業員の自主管理」とする“ニセ裁量労働制”の「ACE(エース)ワーク」を導入しています。一定時間以上の残業代は請求するのがむずかしく、事実上サービス残業となっています。
小池氏は、「明らかに自己申告制だ。労基法違反ではないか」とただしましたが、厚労省の松崎朗労働基準局長は、「自己申告制の留意事項を守っていれば適正だ」などと答弁しました。
小池氏は、改悪案で本社機能を持つ事業場以外にも裁量労働制を広げれば、こうした職場も裁量労働制の対象となりかねないと指摘。「サービス残業根絶が厚労省の方針であるなら、世界に類を見ない裁量労働制の拡大はやめるべきだ」と強調しました。小池氏は、「最低限の措置として、自己申告制でなく、タイムカードなど客観的資料で労働時間の状況を把握させるべきだ」と求めました。松崎局長は、「在社時間は客観的資料で把握するべきだ」と認め、坂口力厚生労働相も、「裁量労働制についても、労働時間の把握はした方がいい」と答えました。