2003年6月13日(金)「しんぶん赤旗」
「小泉首相迷言連発」(日刊スポーツ)、「根拠ただされしどろもどろ」(北海道新聞)、「首相の発言は糾弾されてしかるべきだ」(フジテレビ系番組「とくダネ!」)――。十一日の党首討論で、日本共産党の志位和夫委員長がとりあげた小泉純一郎首相の「イラクは大量破壊兵器を保有」の断言問題で、追及された首相は「フセイン大統領もいまだに見つかっていないから、イラクにフセインがいなかったと言えますか」とごまかしました。その“珍答弁”ぶりを新聞・テレビがいっせいにとりあげています。
「イラク問題で珍答弁」「議場はヤジで騒然」の見出しで、志位氏と首相のやりとりを紹介したのが西日本新聞(十二日付)。「首相の論理は『フセインも見つかっていない』が『いた』。だから『大量破壊兵器も見つかっていない』が『あった』」と“珍答弁”の意味を解説するほど。
志位氏の追及で、「保有の具体的な根拠を示そうにも示せないのではないか、という憶測を強める結果となった」(高知新聞、同)、「しどろもどろの答弁は大量破壊兵器保有を米英支持の理由に掲げた首相の苦しい立場を浮き彫りにしたと言えそうだ」(北海道新聞、同)という見方をしています。
テレビ各局も首相と志位氏とのやりとりを詳しく紹介しました。十一日放送のTBS系番組「筑紫哲也ニュース23」で筑紫キャスターは「フセイン大統領はみんな見ている。しかし大量破壊兵器はだれも見ていない。(大量破壊兵器が)あるかないかをフセイン大統領と一緒にするのは、そうとう子どもじみた議論だ」とコメント。
十二日放送のフジテレビ系番組「とくダネ!」で、司会者が「小泉さんのあの答弁は糾弾されてしかるべきだと思うんですけれど」とゲストコメンテーターに向けると、「問題外ですね。まったくの詭弁(きべん)で論理のすりかえ」「こういうことを平気でいって閣僚がゲラゲラ笑っている。こういう弛緩(しかん)した国会でいいのか」としかっていました。