2003年6月13日(金)「しんぶん赤旗」
【ロンドン11日西尾正哉】イラクの大量破壊兵器の査察団を率いた国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長は英紙とのインタビューで、同氏の報告に対し米政府がイラクの大量破壊兵器保有を示すより強力な証拠を盛り込むよう圧力をかけていたことを明らかにしました。
同氏は十一日付の英紙ガーディアンで、「終わりに近づくにつれ、ブッシュ政権はわれわれに寄りかかるようになった」と述べ、米国が国連安保理で軍事行動を承認する決議を通過させるために、より強力な言葉を盛り込むように求めてきたことを示唆しました。
同氏はまた、「結局、彼ら(米政権)は軍事行動を承認する決議を得られなかったので失望し」、それが「国連査察団を疑うようになった理由の一つだ」と指摘。さらに「ワシントンには中傷者らがいた。うわさを広め、汚い計略をメディアに流す」者がいたと述べています。
同氏は、「米政権の中には、国連が(国連のそばを流れる)イーストリバーに沈んだとしても気にしないと言う人々がいる」、米政権は「自分たちがその内部にかなりの影響力を持っているにもかかわらず、国連を外部の権力とみなしている。このような(否定的な)感情は欧州にはない」と指摘しました。