2003年6月16日(月)「しんぶん赤旗」
|
イラク戦争や有事法制…戦争の雰囲気にみちた今だからこそ、若い世代が日本とアジアの戦後補償の問題について考えようと十四日、シンポジウムが東京・早稲田大学で開かれました。
同大の法学研究科の院生らによる「ピン・ポンズ」の主催。パネリストは弁護士や中国人留学生、雑誌の編集長などみな二十代、三十代。七十人の参加者にも若者が目立ちました。
在日朝鮮人の宋恵淑さん(26)は、「朝鮮へ帰れ」といわれ石を投げられることになれっこになっていたといいます。「都立高校の通信制に通い、日本史を学んで初めて、日本の人は強制連行などの戦前・戦中の歴史を背景にした在日朝鮮人の存在をまるで知らされていないことを知った。そして、知ってほしいと思った。なぜかといえば、同じアジアの隣人として、仲良くしたいから。平和を構築したいから」と訴えました。
インドネシアの元「慰安婦」のドキュメンタリー映画を製作した海南友子さん(32)は、撮影した彼女たちが望んでいるのは、公式な謝罪とともに、次の世代に事実を伝え、二度と同じことがおこらないようにしてほしいことだといいます。そして、「アフガン、イラクの戦争で、日本はアメリカをサポートし、加害者になった。今回の戦争、次の戦争、あなたの国はあなたはどうしますかと問いかけられていると思う」とのべました。