2003年6月17日(火)「しんぶん赤旗」
日本共産党の八田ひろ子議員は、小泉純一郎首相が出席して開かれた十六日の参院決算委員会の締めくくり総括質疑で、小泉内閣の二年間は倒産、失業など国民に耐えがたい痛みを押し付けただけとして、「長時間労働をなくして雇用増を」と迫りました。
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八田氏は、小泉内閣発足の二〇〇〇年に4・7%だった失業率が5・4%と過去最悪となり、失業者は三百八十五万人と増え続けていると指摘。小泉首相にたいし、「構造改革をすすめるためやむを得ないと認識しているのか」とただしました。
小泉首相は、「一度失業しても、再び仕事につける機会を与えるのが政治の仕事だ。五年間で五百三十万人の雇用創出計画に取り組んでいる」と答弁しました。
八田氏は、「五百三十万人の雇用創出プラン」は、サービス業を中心に一年間で百万人以上雇用を増やすことになっているが、小泉内閣の二年間で九十二万人増と半分にも達していないことを明らかにしました。
さらに「プラン」は「失業率は4%以下に引き下げられる」としながら、政府の「中期経済見通し」(経済財政諮問会議資料)では二〇〇五年の失業率を5・6%と見込んでいるなど、目標のでたらめぶりを明らかにし、「どうやって失業率を下げるのか」と追及しました。
坂口力厚労相は「努力します」とのべるだけで具体策はなし。
八田氏は、五百人以上の大手企業で週六十時間(年間三千時間)以上働いている男性雇用者の割合(グラフ)が、一九九四年の14・1%から二〇〇二年の21・2%と五人に一人に増えている実態を示し、「必要なことは、過労死するような長時間労働をなくし、雇用を増やすことだ」と求めました。
小泉首相は、「週六十時間は確かにいき過ぎだ。総実労働時間千八百時間に向け、いろいろなとりくみが必要だ」と述べました。