2003年6月18日(水)「しんぶん赤旗」
【バグダッド16日小泉大介】イラク問題日本共産党調査団の緒方靖夫国際局長・参院議員(団長)、赤嶺政賢衆院議員、森原公敏国際局次長(衆院比例北関東ブロック候補)の三氏は十六日午後、バグダッドの国連児童基金(ユニセフ)と世界食糧計画(WFP)の事務所を訪問し、説明を受け懇談しました。
ユニセフ・バグダッド事務所では東京訪問中のデロイ所長に代わり、次席のクリス・クラインビーグマン上級プログラム調整官が、健康や衛生問題、教育など、イラクの子どもをめぐる現状とユニセフの活動状況を説明。子どもの健康問題では、不衛生な水が原因で子どもたちの間で下痢がまん延している現状を警告し、対策の緊急性を指摘しました。
同氏は、学校再建の課題で、米国がイラクの教科書を作成するという考えをもっていることに関し、「イラクの子どもの教育を外国がやるわけにはいかない。それはイラク人自身の仕事だ」と述べました。
さらに同氏はユニセフの活動の障害になっている治安悪化について「治安対策では地域の状況に精通している警察組織の確立が大事であり、軍隊の力は効果的な対策にはならない」と強調しました。
WFPでは、バグダッド事務所副所長のラーマン・チョードリー氏が調査団を迎えました。同氏は、イラク全土の地図を示しながら、人口の六割が食料配給に依存するイラクの現状を指摘するとともに、本当に食料が必要な人々に行き渡るようにするための調査活動が緊急の課題となっていると強調。また、WFPの活動にとってもなかなか改善しない治安状況が障害になっている現状を訴えました。